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記憶力低下の原因と対策を知る

 記憶力低下の原因は実にさまざまです。「もの忘れが増えたのは老化が原因だろう」「記憶力低下を20代で感じるのは若年性認知症が原因ではないか」など、記憶力低下の原因を一般論で安易に推測するのは危険。症状に対する油断や不安が症状の悪化をまねくこともあります。
 ここでは、記憶力低下の原因と、それぞれの症状の特徴や対策をご紹介。病的な記憶力低下を感じた場合は、早めに医療機関で診察してもらいましょう。

記憶力低下の原因「脳の老化」

 人は30歳から40歳を過ぎると脳の自然な老化によって、記憶力がしだいに低下します。記憶力は「記録」「保存」「思い出す」という3つの力を要しますが、「思い出す」ために必要な脳細胞の数は20歳をピークに減る一方。神経細胞(ニューロン)も減少して情報の伝達速度が遅くなり、人の名前や漢字が思い出せないなど、もの忘れが増えていきます。
 また、「記録」に必要な海馬や前頭葉の細胞の数も、加齢にともない減少し、最近のできごとを記憶するなど、脳に新たな情報を書き加えることが難しくなっていきます。ただし、知的作業の中心となる前頭葉は、何歳になっても鍛えることが可能。前頭葉を鍛えることにより、記憶力低下の原因となる脳の老化を遅らせることができます。

記憶力低下の原因「アルツハイマーによる認知症」

 認知症は、脳の損傷によって、記憶力や状況把握力などの認知機能が低下することをいいます。記憶力低下の原因が老化にある場合と違い、認知症が原因の場合は、経験したという記憶そのものが消えたり、今日は何月で今どこにいるかなど時間や場所の感覚があいまいになったり、もの忘れに対するはっきりした自覚がないなど、日常生活に支障が出るような記憶障害となります。こうした病的な記憶力低下を感じた場合は、早めに医療機関で診察してもらうことが大切。適切な対策をとることで、症状の進行を遅らせることができます。
 認知症にはアルツハイマー病を原因とするものと、脳血管性障害を原因とするものに大分されますが、認知症の約7割はアルツハイマー病。アルツハイマー病は脳に「βーアミロイド」という毒素がたまることにより、記憶力低下を引き起こします。

記憶力低下の原因「脳血管性障害による認知症」

 アルツハイマー病による認知症に対し、脳血管性障害を原因とする認知症は、脳梗塞や脳出血などの血管障害で脳細胞がダメージを受けることにより、記憶力低下などの症状が出ます。脳血管性障害を原因とする認知症の場合、早い段階で適切に脳の手術をすることで、記憶力低下などの症状が改善する場合もあります。

記憶力低下の原因「ピック病による若年性認知症」

 若い人の認知症として知られる「若年性認知症」は、発症年齢が65歳未満の認知症の総称で、原因による区別はありません。こうした若年性認知症のなかで、40代〜60代に発症することが多い病の一つに「ピック病」があります。
 ピック病は脳の前頭葉から側頭葉にかけての部位が委縮し、神経細胞内に「ピック球」という病変が現れたもの。怒りっぽくなるなどの性格変化や人格障害、万引きを繰り返すなどの行動異常が起こるようになり、しだいに記憶力低下などの認知症が現れます。発症頻度はアルツハイマー病の1/3〜1/10と少ないため、アルツハイマー病やうつ病、統合失調症と誤診されるケースもありますが、CTやMRIを使った診断で鑑別可能です。

記憶力低下の原因「ストレス・うつ病」

 20代や30代など若い人にも増えている記憶力低下の原因として、最近注目されているのがストレスやうつ病による記憶障害です。うつ病は、ストレスにより脳内の神経伝達物「セロトニン」などが放出されにくくなることが原因で起こる心の病。セロトニンの減少で前頭葉の働きが弱まり、脳のなかで特にストレスに弱い海馬も大きなダメージを受けます。強いストレスで海馬の細胞が死滅することもあり、その状態が続くと海馬が委縮し、記憶力低下につながります。また、うつ病に処方される薬の副作用で、一時的に記憶力が低下することもあります。
 しかし、記憶力低下の原因がストレスやうつ病にある場合、原因となるストレスを解決したり、うつ病を治療したりすることで記憶力は戻ります。心当たりがある場合は、心療内科や精神科で診察してもらいましょう。

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